2024年3月– date –
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婚約破棄
恋愛小説No.11「両親は罪人でした」
ダイヤモンド公爵の家に養子として引き取られた私を待っていたのは、聞くに堪えない言葉の数々だった……。 ダイヤモンド公爵と公爵夫人の間には子供が出来なかった。数年の月日を費やしたが子供が一向に生まれないことに焦りを感じた公爵は、児童保護施設に... -
~1999文字
恋愛小説No.10「竜との秘密」
その竜は翡翠の眼を持っていた。私がお父様から貰うどんな宝石よりも、北の国から見える星空よりも、それは美しい輝きを放っていた。 「綺麗……」 初めてその竜の瞳を見た時、感動で私は数十秒動けなかった。口をぽかんと開け、竜から見ればバカに見えたか... -
幼馴染
恋愛小説No.9「愛する人は幼馴染が好きみたいです」
「婚約破棄してくれないか?」 婚約者のカイルに突然そう言われ、私の頭は混乱した。彼と付き合って一年半、今までで一番の衝撃だった。 「どうして?」 私がやっとの思いで言葉を絞り出すと、カイルは申し訳なさそうに目をふせた。 「実は……他に好きな人... -
魔法
恋愛小説No.8「覚えてないと言われましても」
「悪いが、もう俺とは婚約は破棄してくれないか?」 婚約者のフロイトはある日、私を家に呼びだすとそう告げた。突然人生が終わったように口をぽかんと開ける私。上手く頭も回らなかった。 「……え? どういうこと? 何かの冗談?」 数秒遅れて出た言葉に... -
婚約破棄
恋愛小説No.7「婚約破棄?いいですよ?」
「やっと来たか……」 私サラが部屋に入ると婚約者のカルイは不機嫌そうに呟いた。 ぽっちゃりとした体型、全然似合っていない髪型、他人を見下したような態度。 負の三点セットが揃っているカルイをまじまじと見つめながら、私は彼が言葉を続けるのを待った... -
幼馴染
恋愛小説No.6「妹は私の婚約者に手を出しました」
「マリ! 俺と婚約してください!」 緊張した面持ちのレイスの言葉に私は大きく頷いた。 彼との関係は今に始まったことではなく、それは幼少期から続いていた。いわゆる幼馴染というやつで、友達以上になることはなかったものの、彼の隣にはいつも私がい... -
溺愛
恋愛小説No.5「妹は溺愛されています」
両親は妹を溺愛していた。 もちろん初めは私も多少は愛されていたのかもしれない。 だが、妹が生まれてからというもの、両親の愛は妹へ偏るようになっていったのだ。 「ハンナ、あなたはお姉ちゃんなんだから我慢しなさい」 母はことあるごとにそう言った... -
~1999文字
恋愛小説No.4「夜の噴水」
「え?」 最初に出てきた言葉は悲しみではなく、驚きだった。今まで生きてきて聞いたことのないような奇妙な声を私は出していた。 「そ、そんな……」 次いで溢れるように出てきたのが、悲しみ。私は両の手で顔を覆い、煌びやかな爪を外に向けた。目からこ... -
~1999文字
恋愛小説No.3「消えた最愛」
太陽の強い光に昼寝を邪魔され、私はゆっくりと瞼を開けた。体を起こし、陽光と体の間に手で影を作る。生暖かい風が頬をかすめ、私の横髪を揺らしていた。 「はぁ」 浅く短いため息をはくと、私は気持ちを少しだけ落ち着けた。 「そろそろ戻らないと……お... -
魔法
恋愛小説No.2「愛する人が幸せならそれで」
「……結婚してほしいの」 私がそう言うと、彼は困ったような表情をした。 「結婚……」 それは私がいつも見る彼の姿ではなかった。動揺し鼓動が速くなっているのは、誰が見ても明らかだった。 「少し……考えさせてくれないか」 彼はそう言うと、窓から真夜中の... -
婚約破棄
恋愛小説No.1「人生を捧げる相手は決まってます」
「悪いが婚約を破棄してもらいたい」 唐突に告げられたその言葉に私は身動き一つ取れなかった。 今のは私の聞き違いかしら? 父は婚約を破棄って言ったかしら? 疑問が頭を埋め尽くし、困惑を露わにする。 「えっと……どういうこと……ですか?」 息をするの...
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