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恋愛小説No.27「自慢の婚約者」
エリザベスには自慢の婚約者がいた。端正な顔立ちに温和な性格で、名前をロベルトといった。 ロベルトは、昔から女性に大人気だった。そんな彼も、結婚適齢期になると多くの縁談が舞い込んできた。しかし、彼はその中の一つも受けなかった。なぜなら彼は同... -
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恋愛小説No.18「婚約者が親友に手を出しました」
先日、私は婚約者であるガランの浮気現場を目撃した。相手はあろうことか私の親友。私の記憶にある限りでは二人が会ったのは一、二回。だが、私の知らない所で二人は秘かに仲を深めていたらしい…… 親友も親友だが、ガランもガランだ。もう婚約までしてしま... -
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恋愛小説No.14「愛する人よ、さようなら」
郊外の墓地に書かれているのはアラルド・ゼイモスという名前。彼は私の婚約者だった人だ。 夕暮れ迫る少し冷ややかな時間。私は墓に手を合わせた。 途端にアラルドとの記憶が脳裏を駆け巡る。 「ソフィア。お前の結婚相手が見つかった。ゼイモス伯爵家の子... -
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恋愛小説No.10「竜との秘密」
その竜は翡翠の眼を持っていた。私がお父様から貰うどんな宝石よりも、北の国から見える星空よりも、それは美しい輝きを放っていた。 「綺麗……」 初めてその竜の瞳を見た時、感動で私は数十秒動けなかった。口をぽかんと開け、竜から見ればバカに見えたか... -
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恋愛小説No.4「夜の噴水」
「え?」 最初に出てきた言葉は悲しみではなく、驚きだった。今まで生きてきて聞いたことのないような奇妙な声を私は出していた。 「そ、そんな……」 次いで溢れるように出てきたのが、悲しみ。私は両の手で顔を覆い、煌びやかな爪を外に向けた。目からこ... -
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恋愛小説No.3「消えた最愛」
太陽の強い光に昼寝を邪魔され、私はゆっくりと瞼を開けた。体を起こし、陽光と体の間に手で影を作る。生暖かい風が頬をかすめ、私の横髪を揺らしていた。 「はぁ」 浅く短いため息をはくと、私は気持ちを少しだけ落ち着けた。 「そろそろ戻らないと……お...
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