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恋愛小説No.27「自慢の婚約者」
エリザベスには自慢の婚約者がいた。端正な顔立ちに温和な性格で、名前をロベルトといった。 ロベルトは、昔から女性に大人気だった。そんな彼も、結婚適齢期になると多くの縁談が舞い込んできた。しかし、彼はその中の一つも受けなかった。なぜなら彼は同... -
婚約破棄
恋愛小説No.26「妻に相応しくないみたいです」
サラは頭を抱えていた。 「サラ、どうかしたの?」 「……いえ、なんでもありませんわ」 心配そうに顔を覗き込んでくる姉のマリアに、サラは小さく首を振る。だがしかし、そんな簡単に気持ちを切り替えられるはずもなく、サラは深いため息を吐き出した。 数... -
幼馴染
恋愛小説No.25「愛する人は私ではない人を選びました」
私、カトリーヌには幼少期から想い人がいた。名前はアリトス。私と同じ伯爵家の貴族で、互いの両親の仲も良好だった。 しかし彼は伯爵家の長男であり、いずれは家督を継ぐ立場であった。そのため婚約者として名乗り出ることは難しく、遠くから見つめるだけ... -
王子
恋愛小説No.24「あなたと結ばれるわけにはいきません」
婚約者のロバートに呼ばれた私が彼の部屋の扉を開けると、そこには申し訳なさそうな顔をした彼が立っていた。 「ロバート様、話とは何でしょうか?」 私が問いかけると、数秒の後、彼は口を開いた。 「実は、俺……結婚することになったんだ」 「えっ!?」 ... -
溺愛
恋愛小説No.23「妹は婚約破棄を提案してきました」
私の妹シャーロットは両親に溺愛されて育った。私と違い美形な妹が可愛いのはわかるが、両親のそれは度を越したものだった。妹もそれが当たり前だと思って育ってしまったからか、我の強さは筋金入りだった。 そして今日。 「ミカエラお姉様! 何故家族のお... -
婚約破棄
恋愛小説No.22「あなたのためを想えば」
ノックの音で私が部屋の扉を開けると、苦しそうな表情のアレックスが立っていた。 「モリス……君に大事な話があるんだ。中へ入れてくれないか?」 私は彼を部屋へ招き入れ、ソファーへと座らせた。そして彼の向かい側に腰を下ろすと、思い詰めたような顔で... -
婚約破棄
恋愛小説No.21「姉に嫉妬されています」
伯爵令嬢カトリーナには意地悪な姉がいた。 「あ、あの……お姉様……」 「あら、何かしら? 私に話しかけるなんて珍しいじゃない。大雪でも降るのかしらね。で、無能なあなたが私に何の用かしら?」 そう言ってニヤリと笑うのは私の姉のリーゼだ。 この人は昔... -
幼馴染
恋愛小説No.20「この現実が夢であったなら」
「そろそろ終わりにするか」 それはちょうど日が落ちかけた時だった。オレンジ色よりやや暗い空に、薄い月が身を潜めていた。 「終わり……」 疑問に近い驚きが私の体中をめぐり、感覚を麻痺させた。彼はというと、私とは対照的で、凛とした表情で立っていた... -
聖女
恋愛小説No.19「清き行いをした聖女」
「アネール。お前を聖女法第二十二条違反の罪で国外追放とする」 その言葉と共に王は近くの兵に、私を拘束するよう命令した。 「そ……そんな……待ってください! お願い……」 「黙れ!!! 貴様が行った行為は立派な犯罪だ!! 即刻この国から出ていけ!!... -
~1999文字
恋愛小説No.18「婚約者が親友に手を出しました」
先日、私は婚約者であるガランの浮気現場を目撃した。相手はあろうことか私の親友。私の記憶にある限りでは二人が会ったのは一、二回。だが、私の知らない所で二人は秘かに仲を深めていたらしい…… 親友も親友だが、ガランもガランだ。もう婚約までしてしま... -
魔法
恋愛小説No.17「追放されましたので」
「聖女制度の廃止をここに宣言する!!」 王がそう宣言すると、民衆は歓喜の声を上げた。中には感極まって涙する者までいる。 「そんな……」 その光景を群衆から離れた所で一人見るのは、この私アラクネである。 私は魔法学校を卒業した後、この国の聖女と... -
聖女
恋愛小説No.16「あなたの浮気を知るまでは」
「チャールズ入るわよ」 私は何食わぬ顔で婚約者のチャールズの部屋を開けた。 「え?……」 しかし瞬間、私は目の前の光景に目を疑った。チャールズと女が抱き合っていたのだ。女は私と同じ位の背で、金色の綺麗な髪をしていた。チャールズは彼女の背に手を... -
聖女
恋愛小説No.15「婚約破棄は撤回してください!」
「エリザベス。お前との婚約を破棄……」 「それは嫌!!」 アレンのその言葉を受け、私はつい大声で叫んでしまった。 部屋に婚約者のアレンと私しかいなかったのが不幸中の幸いというものだろう。 誰かに聞かれた心配もなさそうだ。 「な……なに!?」 アレ... -
~1999文字
恋愛小説No.14「愛する人よ、さようなら」
郊外の墓地に書かれているのはアラルド・ゼイモスという名前。彼は私の婚約者だった人だ。 夕暮れ迫る少し冷ややかな時間。私は墓に手を合わせた。 途端にアラルドとの記憶が脳裏を駆け巡る。 「ソフィア。お前の結婚相手が見つかった。ゼイモス伯爵家の子... -
幼馴染
恋愛小説No.13「あなたのおかげです」
「俺と婚約破棄をしてくれないか?」 私の恋人レオンはある日、そう告げた。 「え?」 直後私の思考は固まり何も考えられなくなった。数秒の間の後、レオンは続けた。 「実は他に好きな人が出来てしまって……婚約の話はなかったことにしてほしいんだ」 「……... -
婚約破棄
恋愛小説No.12「さっさと婚約破棄してください」
ある日、姉の婚約者アーサーは私にこう告げた。 「婚約を破棄するのを手伝ってくれないか?」 「……え?」 瞬間私の頭は思考で埋め尽くされた。一体彼は何を言っているのか……婚約破棄を手伝う?私が?冗談かしら? 「えっと……どういうことですか?」 私が問... -
婚約破棄
恋愛小説No.11「両親は罪人でした」
ダイヤモンド公爵の家に養子として引き取られた私を待っていたのは、聞くに堪えない言葉の数々だった……。 ダイヤモンド公爵と公爵夫人の間には子供が出来なかった。数年の月日を費やしたが子供が一向に生まれないことに焦りを感じた公爵は、児童保護施設に... -
~1999文字
恋愛小説No.10「竜との秘密」
その竜は翡翠の眼を持っていた。私がお父様から貰うどんな宝石よりも、北の国から見える星空よりも、それは美しい輝きを放っていた。 「綺麗……」 初めてその竜の瞳を見た時、感動で私は数十秒動けなかった。口をぽかんと開け、竜から見ればバカに見えたか... -
幼馴染
恋愛小説No.9「愛する人は幼馴染が好きみたいです」
「婚約破棄してくれないか?」 婚約者のカイルに突然そう言われ、私の頭は混乱した。彼と付き合って一年半、今までで一番の衝撃だった。 「どうして?」 私がやっとの思いで言葉を絞り出すと、カイルは申し訳なさそうに目をふせた。 「実は……他に好きな人... -
魔法
恋愛小説No.8「覚えてないと言われましても」
「悪いが、もう俺とは婚約は破棄してくれないか?」 婚約者のフロイトはある日、私を家に呼びだすとそう告げた。突然人生が終わったように口をぽかんと開ける私。上手く頭も回らなかった。 「……え? どういうこと? 何かの冗談?」 数秒遅れて出た言葉に...
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